早池峰山
北上山地の主峰でもある早池峰山は、標高1300m以上の高山植物帯全域が特別天然記念物に指定されている国定公園です。
早池峰山 |
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早池峰山は、標高1917メートルと岩手県内で岩手山に次いで2番目に高い山です。 北上山地の主峰でもある早池峰山は、高山植物がとても豊富で、6月下旬頃〜8月上旬迄の期間は、気品溢れる早池峰薄雪草などの、ここ だけの特産種や稀種が多い事でも有名な山でもあります。 標高1300メートル以上の全域が特別天然記念物に指定されている国定公園でもあり、比較的自然が守られているのですが、登山者の急増 で、徐々にですがゴミなどが投げ捨てられているのを見かける事が多くなりました。 山頂付近は、蛇紋岩に囲まれた岩場が連続していてとても荒々しい感じですが、山頂からの眺望が素晴らしく、岩手山や秋田駒ケ岳に鳥海山 まで見渡すことができまして、天候の安定した日であれば北上山地の殆どの峰を見渡せると思います。 各登山口までは、車で行くことができますので日帰り登山も可能ですが、すぐ近くの岳集落を利用しての余裕をもった登山計画がお勧めです。 特に休日ともなると小田越付近は、路上駐車している車が非常に多く困ったもので、夏の期間は、林道に入れる車を規制していますので、 事前に確認した方がいいと思います。 岳集落の大型駐車場に車を置いてバスを利用して登山口まで行くこともできますので、通行規制がされている期間は、積極的にバスを利用 したいものです。 |
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![]() −門馬登山道分岐からの眺望− |
![]() −山頂付近のお花畑− |
![]() −山頂付近から望む雲海− |
![]() −山頂付近より望む小田越登山道− |
小田越 |
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早池峰山への登山道で最も利用される事が多いのが、小田越登山道です。 他の登山道と比べると比較的安全に登る事ができ、高山植物が多いのも魅力的ですので、初めて早池峰山に登るのであれば、小田越登山道 の利用をお勧めします。 登山口付近には、高山植物盗掘の監視小屋もありますので、何かあれば助けてもらう事もできます。 |
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河原坊 |
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深い霧の中を飛んでいた天狗が頭をぶつけたという伝説が残っている打石などの巨岩郡がそびえ立つのが、河原坊登山道です。 沢を渡ったり、岩場の急勾配があったりと、小田越登山道と比べるとかなり変化に富んだ登山道です。 登山道の途中には、頭垢離という水場もありますので、飲料水の心配をしなくてもいいのが嬉しいですね。 |
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![]() −御座走り− |
![]() −打石− |
![]() −千丈ヶ岩− |
薬師岳 |
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早池峰山の山頂から南の方向を見ると、すぐ眼下にそびえている山が薬師岳です。 早池峰山が蛇紋岩を主にする地質なのに対して隣に位置する薬師岳は、花崗岩を主にする地質で植生にも大きな違いが見られます。 特に6月頃に白く咲き乱れる筬葉草群落は、とても美しい眺めです。 薬師岳の中でも最も美しいと言える場所が「又一ノ滝」周辺になると思います。 幅30メートル、高さ20メートルほどもある巨大な花崗岩の一枚岩から流れ落ちる滝の眺めは、まわりの風景を取り込みながら深山特有の神秘 的な印象を与えてくれます。 昔は、「宥水滝」「亦一ノ滝」等とも呼ばれていた事がある歴史的にも意味のある場所だそうでして、滝の周りは、湿原植物の宝庫にもなってい ますので、それだけでも十分に楽しめる場所になっています。 |
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![]() −早池峰山から望む薬師岳− |
![]() −又一ノ滝− |
岳川源流 |
岳集落から早池峰山の登山口に向かう林道には、岳川の流れに沿って整備されていまして、途中に多数の滝が点在している、とても眺めの 良い場所が続いています。 滝への案内板が林道沿いに設置されていますので、迷う事も無く見つける事ができると思います。 「魚止ノ滝」は、水量が豊富で勢いよく落下する水が滝壷で跳ね返る姿に迫力を感じますし、殆どの地図で紹介されている有名な滝なので、 訪れる人も多く安心して行くことができます。 「清廉ノ滝」と「鳴想ノ滝」は、穏やかな水の流れを見ていると気持ちが落ち着いてくるような感じにさせてくれる、とても美しい滝です。 「笛貫ノ滝」は、何本もの水の通りがあるので横に広い滝になっていまして、掲載写真は、滝の中央部分を撮影したものですが、この両脇にも 滝が流れています。 「笛貫ノ滝」は、林道からの道程が他の滝と比べると少しだけ長いので訪れる人が少ないのが残念ですが、ぜひ見に行ってもらいたい滝です。 |
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![]() −鳴想ノ滝− |
![]() −笛貫ノ滝− |
七折ノ滝 |
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早池峰山への登山道の一つでもある鶏頭山と中岳を経由する縦走路は、山頂まで片道8時間程もかかる為に小田越や河原坊の登山道と 比べてしまうと、かなり登山者を見かける事が少ない登山道です。 早池峰山への登山者の宿泊施設がある岳集落から少し北上した所に鶏頭山への山道口があります。 この山道口は、「七折ノ滝」への山道口も兼ねていまして、向かって右手の道を登って行くと鶏頭山への登山道となり、「七折ノ滝」に行くには、 向かって左側の山道を進みます。 鶏頭山や早池峰山への縦走路を歩く登山者の中には、わざわざ遠回りをしてまで、この「七折ノ滝」を見に行く人達もいる程でして、沢沿いの 眺めも最高に素晴らしく、足を停めて周りの風景に見惚れてしまう程です。 「七折ノ滝」は、とても水量が豊富で途中で折れ曲がり跳ね飛ぶ水飛沫の姿がとても素晴らしく、岩場に打ち付ける水音がもの凄い轟音と なっていまして、早池峰山近辺の滝の中では、この「七折ノ滝」が最も迫力がある滝になると思います。 |
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![]() −鶏頭山− |
![]() −七折沢− |
![]() −七折ノ滝− |
嫁ガ渕 |
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早池峰ダムを越えて岳川の上流域に進むと、岳集落から少し下がった場所に「嫁ガ渕」と書かれた看板が見えてきます。 その看板のある所から林の中を200メートル程も歩くと、あまりの深さに水の色が漆黒になっている「嫁ガ渕」が見えてきます。 初めて訪れた時は、あまりの深さに背筋が寒くなり、何か渕の主でも居そうな気配さえ感じられました。 渕の直前には、織姫伝説の言い伝えが残る滝がありまして、水量も豊富で流れも速いもので、かなりの迫力があるのですが、両側を垂直な 壁に挟まれていますので、残念ながら直接見る事ができませんでした。 右上の写真は、渕の岩場の上に座り込んで腕を伸ばして撮影したものでして、ファインダーを見ないでの撮影となりましたので、滝の上の部分 だけになってしまったのが残念ですが、落ちると間違いなく大怪我をしてしまいそうな危険な場所での撮影でしたので、これで良しとしました。 |
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![]() −嫁ガ渕− |
![]() −織姫ノ滝− |
荒川高原 |
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早池峰山の東南側に広がる荒川高原には、とても景観の良い場所がたくさん広がっています。 高原の中央部に荒川牧場があり、舗装された林道が整備されていますので、普通の乗用車でも気軽に行き来する事が出来る様にもなって います。 荒川牧場の南側には、長瀞滝や荒川不動ノ滝などの滝もあり、何度でも訪れてみたくなる場所ですので、早池峰山に行った時に一緒に訪れ てもらいたい場所です。 |
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![]() −荒川高原の牧草地− |
![]() −荒川高原の牧草地− |
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![]() −長瀞滝− |
![]() −荒川不動ノ滝− |
![]() −荒川高原の牧草地− |
![]() −荒川高原の牧草地− |
![]() −遠野馬− |
![]() −遠野馬− |
![]() −遠野馬− |
![]() −遠野馬− |
寺沢高原 |
早池峰山の南側に広がる寺沢高原にも、とても景観の良い場所がたくさん広がっています。 先に紹介をした荒川高原と比べてしまうと範囲が狭いものの、奥羽山脈と北上山地に挟まれている地理的な好条件で展望が非常に良くて、 高原内を周回できるように舗装道路が整備されてもいますので、自動車での行き来も簡単なのが魅力的でもあります。 |
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![]() −一ノ滝(寺沢四十八滝)− |
![]() −不動滝(寺沢四十八滝)− |
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![]() −一位の実− |
![]() −百舌鳥の早贄− |
![]() −落とし文− |
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![]() −緑豹紋− |
![]() −姫赤立羽− |
![]() −大蟷螂− |
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![]() −遠野馬− |
![]() −遠野馬− |
![]() −遠野馬− |
撮影をした時期のフィルムや機材の違いによって、掲載写真の仕上がりに、
かなりの違いが出てくる事もありますので、統一感が無くお見苦しいかとも思われますが、ご了承ください。
この他にも、まだまだ紹介したい場所がたくさんあるのですが、
自分で満足のいく写真を撮ることができたら、順次紹介していきたいと思っています。