初心者を対象とした、とても簡単な風景写真の撮影講座です。

撮影機材を選ぶには、何が必要なのでしょうか?
それは、自分が何を撮りたいのか、ハッキリと決める事から始まると思います。
自分が何を撮って、何を表現したいのか?
それを表現する為に、何か必要なのか?
機材の性能や値段で決めるのではありません。
自分の表現方法を実現する機材を、自分なりに探して決めるのです。

とは、言っても、初心者には、自分の表現したい機材を探しだすのは、なかなか無理な事かもしれませんね。
風景写真を始めようとする方々を見ていると、35ミリ判の一眼レフカメラを購入しているのを、よく見かけます。
一緒に購入するレンズは、普及タイプの標準ズームレンズが、圧倒的に多いと思います。
最近では、標準ズームレンズと、デジタル一眼レフカメラを購入する方も、よく見かけるようになりましたが、基本的
には、焦点距離が28ミリから135ミリ程度のズームレンズを使用している方が多いと思います。

最初は、この普及タイプの標準ズームレンズと、普及タイプの一眼レフカメラ、又は、デジタル一眼レフカメラで良い
と思います。
予算に余裕があれば、一緒に普及タイプの望遠ズームレンズを揃えても良いと思います。
私も最初は、「28−80ミリF4−5.6」と「80−200ミリF4.5−5.6」の2本のレンズを購入しました。
普及タイプとは言え、安価なレンズでも、実に様々な表現方法が可能です。
撮影方法によっては、高額なレンズで撮影した写真と比べても、人間が目で見ている範囲では、まったく遜色の
ない作品を撮影する事も可能です。
つまり、この安価な普及タイプのズームレンズを使いこなせる感性と技術を養う事が、次の撮影機材を選べるだけ
の知識を得られる事になると思います。

風景写真を始めた頃は、プリントされた写真を見ると、自分が思い描いた表現が、まったく反映されていない作品が
出てくる事と思います。
それでは、どうやったら改善できるのか考えてみましょう?
焦点距離による被写体への変化や、絞りやシャッタースピードでの表現方法などの技術的な内容は、次項に詳しく
説明してありますが、ここでは、表現方法の改善策として、普及タイプのズームレンズでは、表現できない方法を
考えついたとします。
例えば、レンズの最短撮影距離よりも近くで撮影したかったのに、近づく事が出来ず、写真の中に余計な要素が
数多く写り込んでしまって、主題があやふやになり、失敗作品になったとします。
それを改善するには、最短撮影距離が短いレンズを揃えれば良い事になります。

撮影機材の選択は、この様に簡単な事です。
自分が表現したい事を実現するのに、何が必要なのか?
現在の作品を反省して、改善方法を見つけ出し、それを実現するレンズを探しだす事が、撮影機材を揃える為に
求められている、最低限の要素だと思います。

左の写真は、シグマ製の「24ミリF2.8マクロ」を使用して
撮影された作品です。
このレンズは、最短撮影距離が、たった18センチで、広角
レンズで接写が出来る、非常に優れたレンズでした。
手前のシダの葉は、実際には小さい被写体なのですが、
接写によって、かなりの大きさに写っています。
広角の効果で、奥の被写体も判別できる程度のボケで、
広い範囲が写っています。
この二つの表現方法を用いて、何を伝えたい作品なのか
が、ハッキリと出た写真になったと思います。

この様に、自分の表現したい作品を、どうすれば撮影でき
るのかを考えて、それを実現する為の機材を選んでいく事
が、撮影機材を揃える、重要な目的になると思います。

私の場合は、自分なりの表現方法を実現する為に、最終的に下記の様な機材を揃えました。
「24ミリF2.8」「35ミリF2」「50ミリF1.4」「90ミリF2.8マクロ」「2倍テレコンバーター(180ミリF5.6マクロとして
使用)」の4本のレンズをメインにしたシステムを選択しました。
ここに紹介したレンズは、あくまでも私個人の場合であって、どの様な表現方法を考えつくかで、揃える機材が違って
くると思います。

最近ですが、観光地などで風景写真を撮影している方々を見ていると、まるで決まっているかのように、「28−70ミリ
F2.8」と「70−200ミリF2.8」の二本のズームレンズで、すべての被写体に対応できますと思っている人達を見る
事が多くなったと、感じるようになりました。
最近の中高年での登山ブームなど、アウトドアへの関心が高まり、気軽に風景写真を始める方も増えているのです
が、高価で高性能タイプのズームレンズを買えば、撮影機材を揃え終わったと思われるは、ちょっと残念な気がして
います。
たしかに高性能タイプの標準ズームレンズは、普及タイプの標準ズームレンズと比べると、表現方法の幅に違いが
ありますが、すべての被写体に対して、万能なレンズでは無いのです。

高価で高性能なズームレンズを揃えても、それを利用して、どの様な表現方法を実現できるのかを理解していなけ
れば、そのレンズを所有している意味が無くなってきます。
風景写真とは、自分が感じ取った物を、写真という作品に封じ込めて、その作品を見た方々に感じてもらえる事が
目的だと思っていますので、その為の撮影機材を選択してもらいたいと思います。

ここでは、レンズを例にとって説明しましたが、三脚やストロボなど、他の撮影機材にも同じ事が言えます。
撮影をしていく中で、自分が想い描いた作品を実現するのに、こんな機材があればなと感じる事が出来るように
なれば、必要な物だけを無駄なく揃えられるようになると思います。
とにかく写真をたくさん撮って、いろんな事を感じて、どうすれば良い作品になるのか、じっくりと考えてみて下さい。

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