写真講座

初心者を対象とした、とても簡単な風景写真の撮影講座です。

写真講座3:撮影機材の選び方

撮影機材を選ぶには、何が必要なのでしょうか?
それは、自分が何を撮りたいのかをハッキリと決める事から始まると思います。
自分が何を撮って、何を表現したいのか?、それを表現する為に、何が必要なのか?、機材の性能や値段で決めるのではありません。
自分の表現方法を実現する機材を、自分なりに探して決めるのです。

と言っても、初心者には、自分の表現したい機材を探しだすのは、なかなか無理な事かもしれませんね。
風景写真を始めようとする方々を見ていると、35ミリ判の一眼レフカメラを購入しているのをよく見かけますが、最近では、デジタル一眼レフ
カメラと標準ズームレンズとの組み合わせで購入をする方をよく見かけるようになりました。
基本的にレンズの焦点距離が35ミリから135ミリ程度の普及タイプの標準ズームレンズを使用している方が多いと思います。

最初は、この普及タイプの標準ズームレンズと、普及タイプの一眼レフカメラ、又は、デジタル一眼レフカメラで良いと思います。
予算に余裕があれば、一緒に普及タイプの望遠ズームレンズを揃えても良いと思います。
私も最初は、「28−80ミリF4−5.6」と「80−200ミリF4.5−5.6」の2本のレンズを購入しました。
普及タイプとは言え、安価なズームレンズでも実に様々な表現方法が可能です。
撮影方法によっては、高額なレンズで撮影した写真と比べても、人間が目で見ている範囲では、まったく遜色の無い作品を撮影する事も可能
です。
つまり、この安価な普及タイプのズームレンズを使いこなせる感性と技術を養う事が、次の撮影機材を選べるだけの知識を得られる事になると
思います。

風景写真を始めた頃は、プリントされた写真を見ると自分が思い描いた表現が、まったく反映されていない作品が出てくる事と思います。
それでは、どうやったら改善できるのか考えてみましょう?
焦点距離による被写体への変化や、絞りやシャッタースピードでの表現方法などの技術的な内容は、次項に詳しく説明してありますが、ここで
は、表現方法の改善策として、普及タイプのズームレンズでは、表現できない方法を考えついたとします。

例えば、レンズの最短撮影距離よりも近くで撮影したかったのに、近づく事が出来ず、写真の中に余計な要素が数多く写り込んでしまって、
主題があやふやになり、失敗作品になったとします。
それを改善するには、最短撮影距離が短いレンズを揃えれば良い事になります。

撮影機材の選択は、この様に簡単な事です。
自分が表現したい事を実現するのに、何が必要なのか?
現在の作品を反省して、改善方法を見つけ出し、それを実現するレンズを探しだす事が、撮影機材を揃える為に求められている、最低限の
要素だと思います。



左の写真は、シグマ製の「24ミリF2.8マクロ」を使用して撮影された
作品です。
このレンズは、最短撮影距離がたったの18cmで、広角レンズで接写
が出来る、非常に優れたレンズでした。
手前のシダの葉は、実際には小さな被写体なのですが、接写によって
かなりの大きさに写っています。
広角の効果で、奥の被写体も判別できる程度のボケで、広い範囲が
写っています。

この二つの表現方法を用いて、何を伝えたい作品なのかが、ハッキリ
と表現できた写真になったと思います。

この様に自分なりの表現をする為に、どの様な機材があれば良いの
かを考えて、それを実現する為の機材を選んでいく事が、撮影機材を
揃える重要な目的になると思います。

この写真を撮影した当時の私は、自分なりの表現方法を実現する為
に、次の様なレンズを揃えていました。


「24ミリF2.8」「35ミリF2」「50ミリF1.4」「90ミリF2.8マクロ」「2倍テレコンバーター(180ミリF5.6マクロとして使用)」の4本のレンズを
メインにしたシステムを構築していました。
ここに紹介したレンズは、あくまでも私個人の場合であって、どの様な表現方法を考えつくのかで、揃える機材が違ってくると思います。

風景写真とは、自分が感じ取った景色を、写真という作品に封じ込めて、その作品を見た人達に感じてもらえる事が目的だと思っていますので、
その為の撮影機材を必要に応じて選択してもらえたらと思います。

ここでは、レンズを例にとって説明しましたが、三脚やストロボなど、他の撮影機材にも同じ事が言えます。
撮影をしていく中で自分が想い描いた表現を作品の中で実現させる為に、こんな機材があればなと感じる事が出来るようになれば、必要な物
だけを、無駄無く揃えられるようになると思います。
とにかく写真をたくさん撮って、いろんな事を感じて、どうすれば良い作品になるのか、じっくりと考えてみて下さい。

1:自己紹介

2:はじめに 4:フィルムの選び方 5:画角の変化 6:絞りとシャッター速度
7:構図の決め方 8:撮影用フィルター 9:作品を見てもらおう リンク ゆーしの戯言

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