写真講座

初心者を対象とした、とても簡単な風景写真の撮影講座です。

写真講座8:撮影用フィルター

撮影用のフィルターとは、レンズを通してカメラのフィルム面で得られる画像を、調整や加工をする為に利用されるもので、あらゆる撮影目的に
応じて実に様々な種類が用意されています。

丸枠ガラス製や角型プラスチック製に薄膜シート製の3種類が用意されていますが、一般的には、取扱いの容易な丸枠ガラス製が、最も多く
使われていると思います。

最初に紹介する紫外線カットフィルターは、どの様な撮影条件でもレンズに付けたままで、撮影結果に悪影響を与える事が少ないので、常用
の保護用フィルターとしても利用されています。

L37フィルター(左)とUVフィルター(右)

 紫外線は、晴天時に強く照射されており、大気中に漂っている微細な水蒸気や粉塵などに
 衝突して拡散してしまう為に、ヘイズ(撮影結果が靄が架かったみたいに青白く不鮮明になっ
 てしまう影響)が発生してしまうのですが、それを改善するのが紫外線カットフィルターです。

 紫外線の吸収特性により種類が分かれいまして、紫外域390nm(ナノメートル)までを吸収
 する物をUVフィルターと呼んでいまして、紫外線吸収フィルターとして最も多く利用されてい
 ますが、リバーサルフィルムで利用した場合に黄色味が強くでる場合もありまして、少し吸収
 特性を抑えた紫外域370nmまでを吸収するL37フィルターなども用意されています。

 この他には、紫外線で青白くなった色味の影響を補正する為に、薄い赤味の補正効果を加え
 たスカイライトフィルターもありまして、シャドー部の効果的な青味が除去されますので、屋外
 での人物撮影などに最適なフィルターとなっています。

次に紹介する減光フィルターは、 NDフィルターとも呼ばれていまして、色彩に対して影響を与える事が無く光量のみを減少させる目的で利用
されている、光量調整用のフィルターです。

NDフィルター(左)とハーフNDフィルター(右)

 減光フィルターの種類は、濃度によって分けられていまして、透過率50%のND2・透過率
 25%のND4・透過率12.5%のND8の3種類が主な製品となっていますが、それぞれの
 フィルターを重ねて使う事によって、実に様々な組み合わせの透過率で利用する事ができる
 ようになっています。

 渓流での滝や海岸での波などの水の流れや、山間部での雲や枝葉などの動きのある表現
 をしようと思ったときに長時間露光撮影を可能にします。

 被写体の明暗差が大きいときに、暗部に露出を合わせてしまうと明部が露出過度になってし
 まうのを改善する為に、フィルター面の半分だけの透過率を減少させたハーフNDフィルターも
 あります。


PLフィルター(左)とCPLフィルター(右)

 次に紹介する偏光フィルターは、PLフィルターとも呼ばれていまして、風景写真の撮影に使用
 されている方々も多いと思います。

 偏光フィルターには、MFカメラ用の偏光(PL)フィルターと、AFカメラ用の円偏光(CPL)フィ
 ルターの2種類がありまして、見ただけでは、殆ど見分けがつきませんので、使用する際に
 は、間違えないように気を付けてください。

 円偏光フィルターとは、偏光膜の他に直線偏光を円偏光に変換する為の1/4波長位相差板
 と呼ばれる特殊な素材を張り合わせた偏光フィルターでして、使用しているカメラの測光系に
 偏光膜と同じ性質を持つハーフミラーを使用してある場合に、明暗の調整が出来なくなります
 ので、謝った露出結果が出るのを防ぐ役割があります。
 一部のMFカメラと一般的なAFカメラは、ハーフミラーを利用していますので、この円偏光フィル
 ターを使う事になります。


通常は、被写体の反射光を消すフィルターとして解釈されていますが、正確には、偏光を除去するフィルターで、水面などの反射を除去できる
効果から、被写体の色彩を鮮やかにしコントラストを上げる目的に使用されています。

例えば、ガラスなどを見た場合に斜めから見ようとしても、ガラス面が反射していてガラスの中の物を見る事が出来ない場合がありますが、この
反射が偏光になります。

光とは、電磁波の一部でして、直進方向に直角であらゆる角度に振動してい
るのですが、なめらかな物体の表面で反射をすると振動する方向が一方向に
偏った波に変わってしまう性質があります。

偏光する度合いは、光の入射角度によって変動し、平面に対して35度前後の
場合にもっとも強く偏光されて、0度や90度の方向に近づくにしたがって偏光
が弱くなって行きます。

偏光フィルターをレンズの先端に取り付けてフィルター枠を回転させると、位置
によって偏光の状態を変化させる事が出来るようになります。
透過する光の量も変化しますので、絞りで2段階分ほども減少する場合が
ありますので注意して下さい。

風景写真では、水面などの反射を除去するのに使われていますが、反射光
のある平面に対して35度前後の斜めから撮影した場合にもっとも効果があり
真正面から撮影しても反射光が偏光されていない状態となり、効果が出なく
なってしまいます。

つまり、反射のある平面に対して、斜めからの撮影が偏光フィルターを使うの
にもっとも効率的になります。

さらに、遠景を写した場合に太陽光線が大気中の水蒸気や微粒子などにも
反射して不鮮明な状態になっていても、その殆どに偏光の効果が得られる
ので、偏光フィルターを使用すると鮮明な画像が得られる場合があります。

青空の濃度を暗くして被写体の色彩を鮮やかにする効果もあるので、風景
写真の必需品的なフィルターにもなっています。

但し、偏光フィルターの効果が最大になっている状態が、作品として見た
場合に最高の状態かと言うと、違う場合も出てきます。
あまりにも暗くなった青空などは、違和感を感じる場合もありますし、逆に
偏光をうまく利用した作品も撮れると思います。

偏光の状態を確認して自分の作品にもっとも効果的な状態を探し出すのが、
偏光フィルターを使いこなせるかの重要な要素になると思いますので、色々
と挑戦してみてください。


偏光除去効果なし


偏光除去効果あり


偏光除去効果なし

偏光除去効果あり

円偏光フィルター

レバー付き円偏光フィルター

角型ホルダー用円偏光フィルター

最も利用されている丸枠ガラス製の撮影用フィルターですが、他にも角型フィルターと薄膜フィルターがありまして、角型対応のホルダーを利用
して気軽に撮影に利用する事ができます。

最も利用されているのが83mm幅の角型フィルターでして、ホルダーに3枚までのフィルターを組み合わせての使用ができますので、実に様々
なフィルター効果を写真に付け加える事ができます。
他にも67mm幅の小型軽量なシステムや、100mm幅や130mm幅といった大型なシステムまでありまして、撮影機材に合わせて選択する
事ができるようにもなっています。

特に明暗差の大きい被写体に対して、角型ハーフNDフィルターの効果範囲を調整できるのは、丸枠ガラス製のハーフNDフィルターと比べて
しまうと、作品の仕上がりにかなりの違いが出てくる程でして、とても重宝する事と思います。
 

角型ハーフNDフィルター

角型円偏光フィルター

ゼラチン(薄膜フィルター)ホルダー

今回は、風景の撮影に一般的に使われているUVフィルター・NDフィルター・PLフィルターの3種類を紹介しましたが、この他にも多くの種類の
フィルターが存在していまして、写真の仕上がりに様々な効果を付け加えてくれます。
普段と違った写真を撮ってみたいなと思ったときには、フィルターメーカーのホームページで効果を確認してから利用してみてくださいね。

1:自己紹介

2:はじめに 3:撮影機材の選び方 4:フィルムの選び方 5:画角の変化
6:絞りとシャッター速度 7:構図の決め方 9:作品を見てもらおう リンク ゆーしの戯言

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